ジブリじゃないよ、ジグリだよ!四万十川流域で収穫される「しまんと地栗」とは?

こんにちは!
さっそくですが、皆さんは四万十川をご存知ですか?そうですよね、一度は耳にしたことがある、日本でも知名度の最も高い川の一つです。
では「しまんと地栗」ってご存知ですか?そうですよね。。。
『えっ?四万十って栗がとれるんですか?栗が有名なんですか?』
『四万十の鰻なら分かるけど、栗?地栗?ジグリって?』
そんな方が大半だと思います。そんなあなたに、しまんと地栗のことをご紹介します!実は四万十には栗があり、このしまんと地栗が非常に魅力的でおもしろい栗なのです。
しまんと地栗とは?
「しまんと地栗」と書いて「シマントジグリ」と呼びます。
四万十川流域に位置する四万十町・四万十市で収穫された栗のことで、私たちが住んでいる四万十で採れる栗の新しいブランドです。私たち四万十の地元でとれる「地」の栗です。しまんと地栗は、生栗としての販売だけでなくスイーツ等の「しまんと地栗」シリーズへ加工し、地域内外へ販売・発信しています。
しまんと地栗の特徴は、大きさと甘さ。栗1粒の大きさが、市場平均約20gに対ししまんと地栗の平均は約25g。2016年には73gも記録した程の大きさ!そして、糖度が蒸した状態で最大20度近くなります。糖度が高いため、加工する際も砂糖の量が少なくてすむため、栗本来の味が楽しめます。
しまんと地栗は、なぜ大きくて甘いのか?
①高知県四万十の日照時間の長さ
②四万十川の恩恵を受けた朝露と夕霧による水分の供給
③積算温度の高まりが早い
といった地域的な要因がありますが、それだけでなく、栗の保全や管理方法などしまんと地栗の仕組みの部分も、大きくて甘いしまんと地栗を作る上で重要な要因となっています。
よりよいしまんと地栗を生産すべく、生産者、農協、加工業者、事業者たちが連携しながら少しづつ育ててきた経緯があります。「四万十の栗再生プロジェクト」「しまんと特選栗制度」「剪定チームの結成」などの取り組みが挙げられますが、こちらの仕組みに関する詳しい話は現在の「しまんとの栗再生プロジェクト推進協議会」の事務局を担当しているJA高知県の安藤岳氏からのお話を別途お話したいと思います。
「剪定チーム」メンバーの門田晃さんに同行し、今季の栗を見てきました
2019年度にしまんとの栗再生プロジェクト推進協議会で結成された「剪定チーム」。高齢化で自分の栗園地を管理できない方に代わって、非常に重要な作業である栗の剪定を行うチームです。このチームメンバーの一人、門田晃さんに同行し、栗園地の作業や栗の状況を見てきました。
取材をしたのは8月下旬で、早生の栗(早い時期に収穫できる栗)が少し落ちていた程度で、まだまだこれからといった感じで栗の木には大きなイガが青々となっていました。
今回同行させて頂いた門田さん。非常に気さくな方で、四万十市西土佐の出身ということもあり地元四万十の方ですが、今まで栗を育ててきていたわけではなく、剪定チームが結成された2019年度から栗に関わり始め、栗の剪定方法や土作りなど栗栽培のことを習い始めたとのこと。
しかし、実際に門田さんが剪定した栗園地を見させて頂きましたが、栗の枝に美しくイガが着いていた木もあり、栗栽培に対する熱意を感じました!
栗に携わり始めてまだ間もない門田さん。栗の栽培をやっていたわけでもなく、さらに農業をやっていたわけでもない。そんな門田さんに「なぜ栗をやっているのですか?」聞きました。
「『栗の需要が高まっていること』『剪定や栽培方法で収量が増やせるかもしれない』この2つがマッチ出来ればいいんじゃないか、ということを栗に携わっていくうちに考えるようになった。きちんと栗を管理し、栗に関する地域の関係者がそれぞれきちんと連携していけば、しまんと地栗を育てることが仕事になる。僕のように一度東京へ出た若者や金銭面で不安を感じるIターンの若者が、地域へ戻ってくるための仕事になったら嬉しい。」
東京で人形劇団の仕事をしていた門田さんが四万十に戻ってきて、まったく畑違いのしまんと地栗を育て始めました。しまんと地栗の栽培は無農薬で作ることを目指しており、そんな考え方も門田さんと合っていたと言います。
「自分は四万十川のほとりで育ったので、Uターンして初めて四万十川の恩恵を常に受けていたんだなと感じるようになりました。自然に優しい農法を選択することで四万十川流域の自然を守り、少しでも四万十川へ恩返しが出来ればと考えています。」
門田さんのように若い生産者はまだまだ少なく、生産者の高齢化に歯止めがかかっているわけでは決してありません。しかし、門田さんのようにしまんと地栗に魅力を感じ、栗に携わる方が少しでも増え、四万十川流域の自然や産業が守られ、次代の子どもたちや四万十川流域を持続を目指して、少しでもしまんと地栗を「おいしい!」と思ってもらえるようなものづくりをしていきたいと思います。
と、真面目なことを思いながら取材していましたが、門田さんの傍らにある手作り紫蘇ジュースが飲みたくてたまらないと終始思っていたのは内緒です。笑
しまんと地栗、いかがでしたか!?
次は是非しまんと地栗を味わってみませんか?そして、四万十へ遊びにお越しください!こんな大きなしまんと地栗に出会えるかもしれませんよ!笑