みなさんこんにちは。つい先日自分の田んぼの稲刈りが終わり、ほっと一息ついている立岡です。

今回は四万十町を代表するお米「仁井田米」のご紹介です。

地域を代表するブランド米として検査体制や品質管理など、普段なかなか見ることができない光景をたくさん見ることができて大変面白かったです。

お米の収穫最盛期!

四万十町は県内外でもその名を知られる「仁井田米」の産地。

仁井田米は仁井田郷(旧窪川町)で収穫されたお米の総称で、流通している四国県内では知る人ぞ知る地域ブランド米です。

香り米の「十和錦」と並んで、県内の大手スーパーなどで大変な人気があり、地域ブランド米としてふるさと納税や通販サイトなどにも出品しています。今回は、そんな仁井田米の中でも、お米の全国大会「米・食味分析鑑定コンクール」で毎年のように賞を受賞しているお米があるらしい。。。と聞きつけ、四万十町の仁井田地区にある米穀販売店の宮内商店さんにお話を伺ってきました。

宮内商店さんにお邪魔すると、そこにはすでに農家さんから持ち込まれた米袋でいっぱいの状態。

提携している農家さんは63軒。作付け面積は127ヘクタール(東京ドーム20個以上!)で、毎年480トン前後のお米が宮内商店に運び込まれてくるそうです。

ほんのりとお米の香りがして、それだけでお腹がへってくる気がしますが、(お腹の虫を)ぐっと堪えて有限会社宮内商店の宮内重延さんにお話を聞いていきます!

「仁井田米」の担い手、宮内商店

—元々宮内商店ではお米は扱っていなかったとお聞きしました。

宮内さん(以下宮):「そうですね。僕は22の時にアメリカに農業研修に行って、帰ってきてから牛の飼育を始めました。自分のところで150頭、グループでは1800頭を飼育していましたね。

その時に生産から流通までを一通り経験できたことが米作りにも生きていると思っています。」

—そこからなぜお米の販売や生産をやっていこうと考えたのですか?

宮:「僕はもともと米農家の長兄なんです。畜産業をしている時から、きちんとした仁井田米が売られていないと感じていました。仁井田の米はうまいと言われていましたが、生産方法などがきちんと確立しているわけではなかったので、季節ごと・生産者ごとに味に違いがあって。本当の仁井田米の美味しさはこんなものではないと思っていましたね。

そうした中、2004年に食糧法が改正され、農業従事者以外でも米を販売したり流通させることが出来るようになったことをきっかけに、よしやってみるか。と販売を始めたんです。

そうしたら、2005年にいきなり全国大会で賞をとってしまって。これはいけるぞと笑。2007年には山形県から米作り名人の遠藤五一氏をお招きし、一から米作りを学びました。

この地域に合わせた肥料の配合を一緒に組み立て、現在では全農家で肥料の配合を統一しています。」

—かなり徹底して品質の向上に取り組んできたのですね

「品質の向上もそうですが、同じ品質のものを、同じ価格で提供するという点に重きをおいています。それまではそれぞれの農家さんが好きなように作っていたので、特徴が見えにくかったんですよね。

うまいとは言われているけど、それぞれ作り方もバラバラだから、どれだけ美味しい米なのかも自分たちもお客さんもわからないなと感じていました。

そこで米の味を計る機械があると聞いて、その機械で仁井田米を測ってみたら、全国で販売されている有名産地のものと変わらない数値が出た。」

—すごいですね

「これは全国でも戦えると思った。しかしその後は四国九州中国の部門別でTOP3に入ったりはしていましたが、なかなかコシヒカリが主流の上位には入り込めなかったんです。

チャレンジを続けていると、全国総合部門のトップ40に『にこまる』という品種が入賞することが多くなってきて。

その頃はまだ高知県では『ヒノヒカリ』という品種が主流だったけど、ウチでは一気に『にこまる』に変えてみることにしました。

そういった取り組みにより2010年、全国総合部門で初めて最上位金賞を取ることができ、周囲を驚かせる形で、仁井田米が一気に知られるようになったがよ。東北勢が上位を独占している中で高知のお米が入賞したので、快挙として報道されましたね。

さらに、そこから5年後、静岡で開催された『お米日本一コンテスト』で日本一おいしいお米に選ばれました。それはそれは嬉しかったです!」

—長い試行錯誤の末、そこまでのものができたのですね。

「あと、常々思っていることが、コンクールで1回1番をとっただけではダメで、毎年継続して同じ味を提供できるようにしていかないといけないところです。

そのためにも、肥料の量なんかもきちんと定型化して作り、毎年農家さんを集めて、刈り取る時期を調整したりと、品質を一定にするため、様々な取り組みを行なっています。」

徹底した仁井田米の品質管理

—検査や精米についても教えていただきたいです。

「ちょうど今、農家でお米の刈り取りが行われ、宮内商店にお米が集まってきています。

集まったお米はまず農産物検査員により検査を受けます。」

お米の検査を行う宮内さん。農産物検査員が水分、成熟度などももとに等級を検査します。

「検査の際、お米の一部を味度メーターにかけ、味度を測定していくのですが、ウチでは2種類の機械を使って測定しています。一つは玄米の状態。もう一つは炊飯して食べるときにより近い状態で測定します。

今日も高得点が続いちゅう。これは他の産地と比べても全く遜色がないレベルです。」

検査が済んだお米は専用倉庫で大切に保管し、製品として出荷時に精米・袋詰めを行います。

「宮内商店では最新の設備を入れて、徹底した品質管理を行なっています。2種類の高性能の色彩選別機にかけ、不純物や斑点米を始め、従来では取り除きにくかったガラス片なども取り除きながら精米しています。」

精米機で作業する久川さん。重い米袋を持ち上げ、ひたすら精米機にお米を入れていきます。

—本当に徹底して品質管理を行なっているのですね。

「品質管理に関しては、以前やっていたファミリーレストランの経営経験も役に立っています。全国チェーンのレストランは、プロのシェフが作ったレシピで、全ての店舗が同じ品質・同じ価格と量で提供できる体制になっている。そういった部分も参考にしながら、お米の品質管理にも取り組んでいます。」

—お米でHACCP認証(*別注)を取得したのもその影響が大きいのですか?

「そうだね。そんな経験があったから、他の事業所よりも先んじて高知県版のHACCP認証が出た時も動くことができた。

それまでお米で新しい品質管理を入れるなんて風潮はなかったけど、今ではだいぶ当たり前になってきてるね。」

注:アメリカでNASAの宇宙食を製造する際に開発された手法をもとに、高知県が行う衛生管理の認証制度。

—宮内商店では、米粉を使ったスイーツの開発も行っていると聞きました

「米粉を使って何かできないかと考えたときに、カステラが浮かんで九州にある工場を見に行ったんです。そこで『米粉だけで作ってみて』と言ったら、無理ですと最初は言われた。なんとかお願いして試しに作ってもらったら、うまい具合にふくらんで焼けたんです。その場でその釜を購入して、それから製造・販売を開始しました。」

—すごい行動力ですね笑

「最近では他にも、クッキーやバスクチーズケーキなどを開発し、道の駅などで四万十ならではのお土産として高評価をいただいています。

機械の性能も上がってきていて、様々な商品を作れるようになったので、色々作るのは楽しいですよ。」

—最後に、これから取り組んで行きたいことも教えていただきたいです

「宮内商店としては、四国圏外にまではなかなかお米を持っていくことが難しいので、きちんと四国圏内での販売・流通体制を作っていきたいと考えています。

期待しているのは通販やふるさと納税などで、四国外のお客様でも仁井田米を食べてもらえるような仕組みができ始めました。

こういった仕組みも活用しながら、欲しい人のところにこれからも届けていきたいと考えています。」

宮内さん、ありがとうございました!!

今回お話を伺うまでは、四万十の豊かな風土が育てたお米だから味も評価されていると考えていました。

しかしそんな単純な話ではなく、そこには農家さんたちの弛まぬ努力があり、試行錯誤の上に成り立っているものなのですね。

宮内さんのもとには宮内商店の仁井田米を購入したお客さんからも「食べたらおいしくてビックリしました!」「味と香りが良く、最高においしかったです」と言った声が届いているそうです。

宮内商店の仁井田米、是非一度食べてみてください!

◎令和2年産新米◎四万十育ちの美味しい「仁井田米」にこまる3kg。
◎令和2年産新米◎四万十育ちの美味しい「仁井田米」にこまる3kg。