渓流の女王は身の甘さが絶品!全国的にも”超希少”な無投薬で育てるあめごの魅力!
こんにちは!
梅雨も明け、太陽が元気いっぱいな季節がやってきましたね。
自分ちの畑や田んぼの畔の雑草がグングン成長するので、汗だくになって草刈をした数日後にはもっさりしていてちょっとげんなり。
この暑さに「ああ、やだやだ」と悪態をついていると十和の山奥から「遊びに来ないか?」とお誘いが。
取材として(避暑も兼ねて)四万十川の支流の一つ野々川であめごを養殖している芝さんのところへ行ってきました!
渓流の女王あめご
今回お話を伺ったのは「あめご」を大切に育て、全国にお届けしている芝陽一さんです。
四万十川にはその語源の一つと考えられる「数多くの支流が合流する川」の意味があるようにたくさんの支流がありますが、芝さんがあめごを育てる野々川は屈指の透明度を誇ります。
渓流の女王と呼ばれるあめごはとてもきれいな水質の川に住むことで有名なので、野々川はまさにあめごの生育に最適。
この環境で芝さんは30年以上もあめごの養殖に励んでいます。
人の子も、わが子も一緒よ
あめごの養殖では病気などを防いで品質を一定に保つため、殺菌剤や抗生剤を使うことが一般的です。
しかし、芝さんはとても難しいといわれる無投薬での養殖をしています。
いったいなぜなんでしょうか??
無投薬養殖への挑戦のきっかけは、まだ薬剤を使用した方法で養殖していた頃にさかのぼります。
ある時、芝さんのお子さんが「あめごが食べたい」と言ったそうです。
芝さんは
「今でも覚えちゅうがやけど『このあめごは薬をつこぅちゅうき、いかん』とわしが子供に言うたら、妻が『人の子も、わが子も一緒よ』って言うたがやき」
と教えてくれました。
この言葉で「誰にでも安心して食べてもらえるあめごを育てんといかん」とハッとした芝さんは「無投薬であめごの養殖ができないか??」と研究を始めます。
無投薬養殖への挑戦
手探りで始めた当初、多くのあめごを病気で失うこともありましたが、そこでひるむことなく挑戦し続けました。
あめごの養殖を始めた当初から全国の養殖場を巡って研究を重ねましたが、実際に無投薬で養殖している生産者さんには巡り合うことはできなかったそうです。
そこで、10年以上もの歳月をかけて様々な工夫を重ねてたどり着いた方法が
・飼育量を従来の半分まで抑える
・こまめにあめごの様子を見る
・えさの量を調節して水質を保つ
ということで、これにより現在のように無投薬でも安定しておいしいあめごを育てられるようになったそうです。
「子供たちは大きくなったけんど、今でも喜んであめごを食べますね」と嬉しそうに語ってくれました。
しばし野々川を堪能!
活きのいいあめごを見せてもらったり色々と話を伺っていると、木漏れ日から元気な太陽がのぞかせます。
「ちと暑ぅなってきたろ?」
と芝さんは養殖の水槽がある奥から川に直接降りられる階段へと案内してくれました。
そこにはいつでもお客さんを呼べる川床のようなベストプレイスが!
階段を何段か降りただけなのに一気に涼しさを感じます。
川に入って撮影をしていましたが、水が冷たく澄んでいるのでとても気持ちがよくて、無駄に川の中をウロウロしてしまいました。
しばし涼んでいると、「川で色々釣れるで」という芝さんの計らいで釣り竿を借りることに!
同行していた方にモデルをこなしてもらいました。
そうこうしていると、様々なお料理が完成!!
あめごのから揚げに
みんなに大好評の南蛮漬け!
養殖場直送だから味わえるあめごの刺身
そして定番中の定番塩焼き!
芝さんの育てるあめごはクセがなくて身が甘く感じるくらいにとても食べやすかったので、どんな料理とも相性が抜群です。
そして、骨がとても柔らかいので、大きいあめごでも頭からしっぽまで残さず食べることができるのに大変驚きました。
取材時は「どんどん食べてよ」とドンドン勧められるがままにこのフルコースでおもてなしをしてくれたので、胃袋は大変満足の一日でした!
芝さんのこれから
今芝さんはあめごをふるさと納税の返礼品や地元のホテルなどに出していますが、もっといろんな人にこのおいしいあめごを知って食べてもらいたいと話してくれました。
「あめごの南蛮漬けが好評やき、いろんな人に食べてもらいたいね」とおっしゃる芝さんはいま商品化できないか検討中だそうです。
また、普段は地元の学校などに川遊び体験をしてもらったり、イベントなどで行われるあめごのつかみ取りなどにあめごを提供していますが、最近は四万十町の観光協会などを経由して直接芝さんの元へあめごを食べたり川遊びを楽しんだりする体験メニューも好評とのことでした。
夏にこれだけひんやりとした川で遊べて、そのあとで芝さんが心を込めて育て上げたあめごを堪能できる体験メニューがあったら間違いなく夏の定番避暑プランになるではないか!と感じた次第でした。