皆様、こんにちは。ライターの神尾です。

さて、今回は、冬が旬、椎茸のご紹介です。

十和の椎茸は、肉厚…!

十和で採れる椎茸は、肉厚でプリップリ。
椎茸の香りが香ばしくて、とっても美味しいのです!

12月、十和では、椎茸が原木からちょこちょこっと顔を出してきます。
この小さな椎茸がプリップリの椎茸になります。

原木椎茸がある景色。

椎茸の栽培方法は大きく分けて菌床栽培と原木栽培の2つがあります。

菌床栽培とは、菌床(おがくずなどの木質基材に米ぬかなどで栄養素を加えた人口の培地)でキノコを栽培する方法で、温度や湿度、光などを調整できる施設で栽培します。温度などを調整できるので、安定的に栽培・収穫ができ、市場への流通も安価になります。

そして、原木栽培というのは、こならやカシの木を1mほどにカットしたものに菌を植付します。
そして、気温の高い夏場は、菌の入った木を寝かせておき、秋になると、木を立てて椎茸を収穫しやすいようにします。

十和地域で作られる椎茸のほとんどは、原木栽培による椎茸です。
原木栽培の多くは、山の中や、雨よけのハウスの中で栽培されますが、直射日光が当たる場所を避けて原木を置きますので、収穫する冬場は震えるほどの寒さ…
さらに、菌床とは異なり、椎茸の育ち具合は気候に大きく左右されます。
どんなに準備万端でも、収穫量を左右するのは気候。これがしいたけ農家さんを悩ませています。

原木椎茸の一年。

原木椎茸の栽培の正念場は、やはり冬。
ですが、冬以外は特にやることがない。というわけではありません。

原木椎茸のスタートは、椎茸が顔を出すより少し前の11月頃。
榾木(ほだぎ。ほたぎとも言います。)になる木を山に切りに行きます。

その場である程度乾燥させて、12月頃、短く切って山から出してきます。

そして、この12月は、椎茸が顔を出す時期ですので、せっかく出た芽が乾燥してしまわないように見回りながら、散水したり、収穫したりと大忙し。

春先になると、菌打ちをして、暑い夏場は、榾木を寝かせます。
そして、秋になると、椎茸を収穫しやすいように榾木を立てていきます。

榾木の中に打った菌が無くなり、新しく菌打ちした榾木との入れ替えまで、長いもので4~5年かかるそうです。
ですので、毎年、菌が無くなる榾木を見極めながら、入れ替えを行います。

今年の椎茸は、どんな感じなのでしょうか?

十和を走る国道からそれる事、10分ちょっと。
地吉(じよし)という地域があります。
今回は、地吉で椎茸づくりをしている酒井さんにお話を伺いました。
酒井さん曰く「今ね、春が来ちゅうがよ」

電話でアポを取ったとき、そう言われました。
春?いい意味の?と、ちんぷんかんぷんでしたが、とりあえず酒井さんの山へ。

「春」とは、椎茸にとっての春で、1回目の収穫が終わってしまったところでした。
寒いから、さぞ出ているだろうと思っていた私は、驚きました。

さて、本題の椎茸はといいますと・・・

小さい椎茸が顔を出しています!

一気に冷え込んだので、顔を出したようです。

しかし、案内してくださった酒井さんは、渋い顔のまま。「これで雨が降ってくれたら大きくなるがやけど」とつぶやいていました。

椎茸にとっての一番の環境は「1回ぐんと冷え込んで、その後適度に雨が降りつつ、ぽかぽか陽気が続くこと」だそうです。
冷え込みによって椎茸の芽が出るのですが、その後は原木に水分が行きわたり、ぽかぽか陽気がないと、せっかく出た椎茸の芽が硬くなってしまい、大きくならなかったりするんだそうです。

つい先日、雪が降った十和。雪でも雨の代わりになるのかなぁと思い、聞いてみると、「あれくらいじゃあ、何の足しにもならんよ。もっとどかっと降ってくれんと」とおっしゃっていました。雪が榾木に積もるくらい降ってくれると、日中の気温で雪が融けて、それを榾木が吸収することで、雨が降ったのと同じことになるんだとか。

思い通りの天候になってくれないのが、自然。
ある年では、「よっしゃ!いい感じに椎茸が大きくなってきたけん、明日は収穫じゃあ!と思いよったら、夜のうちから雨がザーザー降ってきたときがあるもん」と苦笑いで話す酒井さん。
収穫前に雨が降ると椎茸の色が悪くなってしまんですって。

降ってほしい時に降ってくれなくて、降ってほしくない時に降ってくれる。
天候を読むって、難しいですねぇ。

おまけ

酒井さん宅の近くに、雨よけのハウスの中で椎茸を栽培している方にも取材することができました。

こちらでも、出ています!
酒井さんの山の中の原木よりも、大きく、たくさん芽が出ていますが、それでも例年と比較しても少ないそうです。
せっかく出た椎茸の芽が固まってしまわないように、ビニール袋をかけて大切に大切に育てています。

ハウスは山の中より温度が上がるし、ハウスで作る方が楽なのかなと思っていましたが、ハウスの側面のビニールが風に吹かれてバタバタ…
ハウスの屋根を見上げると、ネットで縞々に…

これは、もしかして…
と思い、生産者の方に伺うと、「風に吹かれて、ハウスのあっちこっちでビニールが破れて補修するのが大変ながよ。一年で全部は直せんけん、毎年ちょっとずつ直すけど、どれだけやっても追いつかんよねぇ」と。

ハウスはハウスで大変なところがあって、楽な仕事なんてないなぁと思ったことでした。

酒井さんの山へ行くには、モノレールに乗らないと行けません。そのモノレールの怖いのなんの。命綱の鉄パイプはキンキンに冷えていましたが、それでも終始握りしめていました。 今まで乗ったジェットコースターより、怖かった~…